Liam Mom's Blog

言葉が遅いってどういうこと?言語が遅いと診断を受けてからの記録です。アメリカ人パパ、日本人ママ、言葉が遅い三歳息子の日常を綴ります。

初めてのカウンセリング②

カンセリング①の続きです。

 

私達はカウンセラーのデスクの横の長椅子に座りながら

カウンセラーと息子の様子を眺めながら漠然とまた不安になっていた私です。

緊張していたせいか30分はあっという間に過ぎてしまいました。

 

30分息子を「観察」したカウンセラーは息子に「ダディとマミーにお話しがあるから

ちょっと待っててね。すぐ終わるわ。」と話しかけてからデスクに戻ってきてすぐに

以下の所見について見解だとテキパキと説明を始めました。

 

●ハイ!と話しかけた時にカウンセラーの目を見ながら笑顔で対応した。

●カウンセラーがブロックを机上に置くと、8個のブロックを積み上げた。

●カップとキューブを手に取ってfunctional playをして見せた。

●これらの動作をカウンセラーと一緒に行い、またその中にthree-point gazeと

 protodeclearative pointingも随時確認することができた。

●セッション中に喃語はでていた。

●セッション中に一度はっきりとした「Ba」の発声を確認。

カウンセラーが両親と面談中は一人遊びが出来ていた。

●明瞭な言葉の数は「0、ゼロ」。

 

このカウンセリングは「息子にはどの支援が」必要かをまず見極めるものでした。

言語だけなのか、他に問題はあるのか? 

私が当時住んでいたカリフォルニア州では"First 5 California"というシステ

ムがあり、このシステムを利用することで支援を必要とする子供とその両親は

行政からサービスを受けることが出来ました。サービス(お金)を出すのは行政ですか

ら、きちんとカウンセリングをするのは当然ですよね。息子はまだ二歳前だったことも

あり言語だけに限らず発達全般のカンセリングになったようでした。

 

この時点での総合診断は以下の通り。

 

Pragmatics : Age Equivalent : 9-12 months (severe delay)

Gesuture : Age Equivalent : 15 months (moderate delay)

Play : Age Equivalent : 18 months (mild delay)

Language Comprehension : Age Equivalent: 6-9 months (severe delay)

Language Expression : Age Equivalent : 6 months (severe delay)

 

シビア、という言葉がズッシリときました。

明らかにヘルプが必要なレベルだということです。

「スピーチセラピーを受けさせてください。私のほうで書類を作って

担当者に送っておきます。二週間以内には担当者から連絡があると思います。」

わかりました・・というのが精いっぱいでした。多分相当険しい顔になっていたと

思います。

 

 「不安になるのは分かるわ。でもねあなたの不安は

”子供が必要なサポートを受けさせる”ことで少しずつ和らいでいくでしょう。

あなた達は両親が今すべき仕事ちゃんとをしてる。

あと、これはオフレコだけれど・・・・私は月に何十人もの子供のカウンセリングを

するから思うのだけど、リアム君が言語遅延以外の問題は他には見当たらないと思う。

勿論、絶対っていうことは誰にも言えないからね。まあ、今は言葉の遅れにフォーカス

してあげてね。」

 

オフレコ部分は勿論将来を保証するものではありませんが

それでも少しほっとしました。というか、ここまで私の気持ちを推し量って

語りかけてくれたのは彼女が初めてでした。 

今やることを、できることをやっている。

子供に必要なニーズを把握していくこと、何をしたらいいのか最善策をみつけること。

それを聞けてかなり不安は消えました。

 

私がモヤモヤしていた一番の理由はそこだなと気づきました。

何も分からないから不安になる。「これでいいの?」という疑問は子育てには

つきものなのでしょうが、私はその手前で「これで」の部分を模索して

立ち止まっているままでした。これからセラピーが始まる。そこでまた一歩

踏み込んだ話も聞けるであろう、専門士によって私が出来る最善のサポートを

子供と一緒に学べる機会になるだろう・・・そう考えると何だか

スッキリした気持ちになりました。今後見つかる問題もあるかもしれない。

その時にはそれって何?どういうこと?と悩む前に、こういう事なら・・と

知識を既に持ち合わせていられるようになろう。

 

カウンセラーは予定の一時間キッチリ使って

息子を診断して、母親の私にまでアドバイスをくれました。

このカウンセラーに二度と会う事はありませんでしたが、

今でも感謝!してます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

言葉が遅い息子・初めてのカウンセリング①

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             カウンセリングを受けた当時の一歳七か月の息子。飛行機を指さしています。

 

 

初めてのカウンセリングは一歳半検診で医師に「言語が遅れていますね。」と

言われてから約二か月後のことでした。息子は一歳七か月になっていました。

カウンセリング前に州立大学病院の分院で聴覚テストを受けるように指示が

あったので済ませておきました。結果は聴覚に問題無し!安心しました。

 

小児科内の一室で初めてのカウンセリング。

通された部屋で緊張しながら待っていると四十代半ば位の白人女性が

「ハーイ!」と笑顔で現れました。

 

カウンセラーのこの方、ちょっと太めで朗らかな笑顔のどこにでもいる(といったら

失礼ですが)白人のオバチャンという感じだったのですが、いざカンセリングが始まる

と目の奥がキラッと光るようなシャープな表情に切り替わるんですよ。

よくいえば気負いしない・フレンドリー、悪く言えばちょっと頼りない・・・

という仕事ぶりの人が多いと感じていた私のアメリカ生活の中ではそのプロの表情が

今でも強く記憶に残っています。

 

まずはカウンセラーから私達夫婦に質問の時間です。

事前に息子のChild Information(出産時の身長、体重、出産・授乳方法から現在に至る

までの既往歴の有無等)とPersonal History(両親の基本情報:職業、年齢、

「普段の日常生活を誰とどこで過ごしているか?」「あなたの子供はどういう性格

ですか?表現してください。」等の質問)を用意しておくよう言われていたので、

これらの書類を元にカウンセラーが質問してきます。これで二十分程が過ぎました。

 

その後、彼女は部屋の中に設置されていたプレイマット上の設置されていた子供用の

テーブルセットに座って遊んでいた息子の横に静かに近づいて行って、ハーイ!と

満面の笑顔で話しかけました。

息子にとって初のカウンセリング・セッションの始まりです。

 

ブロック、ママゴト道具、人形、フィギュア、パズル、ミニカーが入っている

バスケットから好きなようにオモチャを引っ張り出して遊んでいた息子。

彼女は息子の隣に腰を下ろすと一旦オモチャをすべて側にあったバスケットに

すべて片づけました。「ちょっと片づけるね、今から一緒に遊びましょう!」

それから座って遊ぶ事約三十分。

息子が無邪気に遊ぶ姿をひたすら見つめながら、どういった見解を聞くことになるのか

不安がまた広がっていきました。

 

 

家庭内での言語

定期健診の小児科医師、言語遅延のカウンセラー、スピーチセラピストから

必ず聞かれた質問。

 

第一言語は何ですか?

 お母さん(もしくはお父さん)の母国語も教えていますか?

出来れば、その2ヶ国語を習得させたいと思ってますか?

 

我が家の回答は「YES」です。 

ただ、息子が「言葉が遅い」と診断された後には

 

息子に二ヶ国語を習得させたいとするのは正しいのだろうか?

というか、それは可能なのか??

それ以前に言葉が遅い子供には無理をさせることになるのではないか?

 

この点については夫婦でもよく話し合いましたし、セラピストにもよく相談しました。

またこの話は別の記事にしたいと思います。

 

我が家は英語と日本の二か国語家族。

私と主人は英語で会話。主人と息子は英語。そして私と息子は日本語。

今でこそこれは徹底していますが、在米時はそう徹底していませんでした。

 

初の海外生活。渡米した時は妊婦生活も中盤。

早くこの生活に慣れなくてはと常に必死になっていました。

産婦人科の通院、これからくる出産・・・とにかくアメリカに来て

今更英語がわからない、通じないという事がないように常に脳内では英語モードオン!

 

そういう生活の中、常に脳内英語モードをオンにしていた私。

その結果として無意識に息子に英語で話しかけてしまう事も多かった。

寝かしつけに歌ったりするのは日本語の童謡等が自然と出てくるのですが

「じゃあご飯食べようか~。」「ママ今ご飯つくるからね~少し待っててね!」

「こっちに来てね~、歯磨きしようね~。」とか、たわいもない話しかけが

ふと英語で出てしまう。

英語で話せば主人も自然に私が息子に話している内容が分かるので

いちいち「キッチンに行くからちょっと見てて~」と最初から英語で話していれば

側にいる主人が察してくれて「あ、じゃあ僕が見てるね。」となるわけです。

そんな事で面倒臭がってはいけない、とは思うんですが、疲れが溜まり勝ちな

一人育児時間が多い私はそれをついつい日本語でするべき語り掛けを英語だけで

済ましてしまっていました。

 

英語を日本語レベルで喋ることは無理。だからこそ正しい英語は主人から

正しい日本語は私から。そう分っていたのに日本語をちゃんと話していく努力を

怠る事が多い結果、息子にとっては、時々しか聞こえてこない日本語なんて

「???」となるのは当然のことでしょう。

 

一歳七か月時の息子が耳にする言語の八割は英語、二割程度が私の日本語でした。

少なすぎる日本語量です。これでバイリンガルを考えているとよくも言えたものです。

TVを消すだけじゃなくて私がもっと日本語で語り掛ける、それが大事!!

日々心がけないといけないと思います。